合同講演会

多文化共生社会を目指して ~明晴学園の教育~

講師:榧 陽子氏 (かや ようこ)

 今年度の合同講演会は明晴学園の榧校長先生をお招きしました。葛聴協・サークル・受講生の計57名が参加し、会場は超満員。立ち見が出るほど盛況でした。

 明晴学園は日本で初めてのバイリンガル教育の私立ろう学校として2008年に開校。第一言語として日本手話、第二言語として日本語(読み書き)を学び、ろう文化・聴文化によるバイリンガル・バイカルチュラル教育による教育課程になっています。子どもたちは手話で学ぶ環境で目の子どもとして、豊かな人間性を持ち、多文化共生社会・国際社会に生きる人間に育っていきます。たくさんの映像とともに明晴学園の教育実践を知ることができました。「1人1人の言語と文化を大切にする社会はみんなが幸せになれる社会です。そんな社会を作って行きましょう。」と榧先生から多文化共生社会を目指すお話で締めくくられました。                           

                              (報告:新小岩 田村)

【参加者の感想】

 

 明晴学園の映像の中の子供たちは、手の動きの緩急や目の動きなどで感情を上手に表し伝えながら、とても豊かな手話で会話をしていました。私は子どもたちの映像を見ながら、榧先生がお話の中でおっしゃっていた「手話表現だけでなく非手指表現(目、眉、口、あご、身体の動きなど)も合わせて見ることで100%理解できる」という言葉が腑に落ちました。なかなか出来る事ではないでしょうが、私もいつか子供たちのように豊かな手話表現で会話が出来るようになりたいと思いました。(新小岩 T.K)

 

 以前参加した青年部の討論会に、女子高生がいました。彼女は周りの大人たちを圧倒する勢いで魅力溢れる手話で意見を繰り出します。明晴学園出身。今回の合同講演会を聴講して大いに納得!自ら学び、自ら考える人。自分に自信を持って社会で生き抜く力(高校で聞こえない生徒は一人だけとの事)を身に付けていました。明晴学園が大切にしていることを体現していると思いました。3分スピーチや学級討論などを、手話(母語)が土台にある事で目の子供たち一人ひとりが成長していける環境は素晴らしいと感じました。(立石 N.M)