◆障害平等研修(DET)◆

「障害平等研修」紹介ワークショップ

     開 催 報 告

(主催)手話サークル葛飾

(協力)葛飾区聴力障害者協会

    NPO法人障害平等研修フォーラム

日時:2015年10月24日(土)

会場:ウェルピアかつしかボランティア活動室

参加:サークル員14名・葛聴協5名・他7

 

 出前ボランティアの内容の向上、サークル員の意識の共有化を目的にワークショップが開催されました。この研修の目的は障害を見抜く目の獲得、行動に移す、の2点だとファシリテーターから説明がありました。ファシリテーターは「何も教えません」「批判しません」という立場で、このワークショップを導く役割として存在するとのことでした。今回のファシリテーターはNPO法人障害平等研修の松田さんにお願いしました。

 

前半は「障害とは?」をテーマに演習、ビデオ分析、まとめの作業をし、後半は2つの行動のヒントから、行動計画つくり(リスト)をグループで行いました。サークル、ろう協、他団体等の参加者が4人で1グループになり、グループワークの時には、他の人の意見に対して「良くない」など批判しない、「そういう見方もあるんだ」と受け止めます。

 

先ずは、集まったメンバーで自己紹介、今日の研修に参加した理由を用紙に書き、お互いに発表することから始まりました。 

 

前半:グループワーク“障害って何だろう”

  

イラストから 「障害ってなんだろう」を30秒で考え、それぞれが用紙に記入しグループ内で発表します。さらにその後、車椅子ユーザーのイラストが紹介され、障害は「どこ」にある?をグループで話し合い、その場所に付箋を貼りました。貼られた場所はさまざま…建物入り口の階段に、「大安売り」の張り紙に、または車椅子に貼るという意見もありました。それぞれ、スロープがない、別の入り口を提示すべき、段差を乗り越えられる車椅子が開発されれば問題なく通行できるなど、考え方はさまざまでした。 

 

映像から 約10分間の映像を見ました。ある健常の男性が目覚めると何かが今までとは違う?建物は車椅子が当たり前の仕様になっている、パブに遊びに行くと介助者の同行がないのかと言われ、タクシーに手を上げても停まってもらえず、手話で話しかけられても理解できず、周囲からひそひそ、ジロジロと見られる…多数と少数が逆転した社会になっていることに少しずつ気付く…。

 

 グループで、映像では何が起こっていたか、なぜか?じゃあどうする?を話し合い分析しました。

ディスカッション その後もう一度「障害とは?」についてディスカッションしました。1回目のディスカッションでは、不便、不自由、動けない・歩けないといった行動しにくさ、個性、といった意見が多かったのですが、それが「個人ではなく社会に原因がある」と皆の考えが変わりました。「国連の定義に私たちは少し近づけた」という松田さんのコメントにハッとしました。

 

後半:“じゃあどうする?行動リストつくり”

 

アクションのための行動リストつくりをしました。

 

ヒント 考え方のヒントが2つ提示されました。箱の丸い穴に星型の物を入れようとしても型があわない、さてどうしますか?箱を変えるか、星を変えるか?つまり、①どちらを変える?社会を変えるか、障害者を変えるか? ②聴く(気持ちを尊重する)というヒントでした。

 

リストつくり「私は○○を変えていく」 現状を書き出し、そこから自分の行動を書いていくというシンプルな方法です。「なるべく具体的に、現実的に書きましょう」というアドバイスを受け、「最寄り駅の建替え工事のときに住民として意見を言う」「近隣から情報を集める」「仕事で接する時に一人ひとりの話をきちんと聞く」「出前ボラのときに子どもたちに伝える」など、実現できそうなリストが多く上がりました。 

       ~ 感 想 ~

 DETフォーラムの千葉理事から「DETはスタートであり、社会を変える、変わるがゴールだ」というお話をいただきました。なるほど研修の最後には‘自分も何かできそう’な気持ちになっていました。また、グループワークだと、自分は間違っているのでは?恥ずかしい…、という遠慮がなく、とても話しやすかったのですが、これがこの研修のポイントとのことでした。

 

障害について考える時に、不便さ、不利益がフォーカスされ、個人の責任として考えられてしまいがち。困難の原因を社会が作っている、マジョリティ(多数派)が作っているという視点は講義をしても伝えられないが、映像を使って考えてもらう機会がDETのワークショップだとのことでした。そのお話しの通りで、グループディスカッションを通じていつの間にか、個人から社会へ視点が向いている自分がいました。これが‘障害を見抜く力’なのだと思います。

 

この視点を持ち続け、出前ボランティアの内容につなげていけたら良いなと思いました。

(報告:新小岩支部 田村)